有害な痛みを緩和する治療 患者さま向け

帯状疱疹のおはなし

帯状疱疹(たいじょうほうしん)という病気をご存知ですか?地方によっては“たず”とか“胴巻き”とか呼ばれることがある病気です。体の一部分に赤いぶつぶつ(皮疹;ひしん)ができ、それが「みずぼうそう」のような水ぶくれ(水疱;すいほう)をつくります。「みずぼうそう」は全身にできるのに対して「帯状疱疹」は体の狭い範囲で、しかも右か左にだけできます。頭のてっぺんから足先までどこでもできるのですが、お腹にできるとぶつぶつが帯のように連なって見えることから“帯状”疱疹と呼ばれるのです。

副院長 中嶋 保則

原因は

帯状疱疹の原因は水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれるウイルスです。このウイルスは皆さんの多くが子供のころにかかった「みずぼうそう(水痘)」のウイルスと同じものなのです。このウイルスは「みずぼうそう」が治った後も体の神経節と呼ばれる部分にひそんでおり、病気で体力が落ちているとき、仕事やストレスで肉体的・精神的に疲れているときなど、免疫力が低下しているときに暴れだして帯状疱疹を発症するのです。

症状は

赤い皮疹や水疱などの皮膚症状とその部位の痛み症状を認めます。痛みは、ヒリヒリ、チカチカと程度の軽いものから、ビリビリ、ズキズキと強いもの、場合によっては夜も眠れない程度の激痛や、泣き叫ぶほどの激烈な痛みを起こすことがあります。痛みは、皮疹の出現と同時あるいは遅れて出ることもありますが、痛みが先に出現し、2~3日遅れて皮疹が出現することがあります。痛みだけの時期に原因がわからず湿布を貼ってしまい赤いブツブツを認めても湿布かぶれと勘違いして帯状疱疹の治療が遅れる場合があるので注意が必要です。

帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)とは

帯状疱疹の治療(特に痛みの治療)を適切に行わないと神経痛になる事があります。これは、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる状態で、この段階になると痛みの治療が大変難しくなります。皮膚症状はすっかりよくなっているのに痛みは激烈で、風が吹いたり下着がこすれただけで痛みが誘発されます。外観に異常がないため仮病と間違えられたりして周囲の理解が得られず患者さんは大変苦労します。帯状疱疹後神経痛になりやすいのは若年者より高齢者、最初から痛みが強いとき、皮膚症状が改善傾向なのに痛みが新たに出現したり悪化するとき、皮膚の感覚が低下しているとき(知覚低下)、触っただけで痛むとき(痛覚過敏)等です。このような場合は特に下に述べるような治療を積極的に行う必要があります。

治療方法は

帯状疱疹の原因はウイルスですから、そのウイルスの増殖をおさえる目的で抗ウイルス薬を使います。以前は5時間毎(一日5回)に内服する必要があったのですが、新しい薬は8時間毎(一日3回)の内服ですむようになりました。また、症状がひどい場合は抗ウイルス薬の点滴もありますが、8時間毎に点滴しますので入院の必要があります。痛みに対しては、まずは痛み止め(抗炎症薬)を内服します。帯状疱疹の初期の痛みには効くことが多いのですが、効きが悪いとき、痛みが長引くとき、皮膚の感覚低下があるときなどは帯状疱疹後神経痛に移行する可能性が高いので、神経ブロックという注射をお勧めします。神経ブロックは痛みの神経(知覚神経)や血流を改善する神経(交感神経)に作用し、痛みを和らげるというものです。現在、帯状疱疹後神経痛の予防にはこの神経ブロックをできるだけ早期から始めるのがよいといわれています。治療開始が遅れるとその後の治療にも長い期間を要しますし、神経痛が完成してしまうと何年も痛みが続くということにもなりかねません。この、神経ブロックは麻酔法の一種ですので当院のような麻酔専門医に行ってもらうのが安心です。

最後に

帯状疱疹は決して皮膚だけの病気ではありません。皮膚の治療だけに目を奪われると帯状疱疹後神経痛というやっかいな病気に移行することがあります。ペインクリニックなど痛み治療が適切にできる病院を早期に受診することお勧めします。

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